カテゴリ:僕( 1 )

このブログのこと、僕のこと

 先日の演奏会が僕にとっては最後のものだったということは前回の記事の最後に書きました。来週は休暇を取ったので、明日から東南アジアを放浪してくる予定で、次の演奏会は1月の上旬。なので、しばらくは音楽関係の記事はお休みします。こっそり細々と始めたこのブログですが、少しずつ読んで下さる方も増えてきて、書く側としても読んで下さる皆様に感謝で一杯です。
 演奏会で忙しい日々も一段落したし、ちょうどいいタイミングなのでこのブログに対する僕の思いや、僕自身について少しだけ書いてみようと思います。


 元々このブログは、自分が聴いた演奏会や観た舞台について、自分自身のための記録として書き始めました。全く読者のことは意識せず、自分が読んで思い出せれば良いというくらいの態度で書いていました。とはいえ、凝り性なところもある人間なので、一度書き始めるとやはり、できる限りきちんとしたものを書きたいという気持ちはあって、次第に本気で書くようになりました。

 特に10月後半以降は、色々なきっかけや思うところもあって、自分でも無茶だと思う頻度で演奏会に通い、意図的に自分を追い込んで、許された時間の中でいったい自分がどこまで音楽が聴けてどこまでそれを文字にできるのか、自分の限界を探ろうとしていました。

 結果としては、自分を本当に限界の近くまで追い詰めることができたと思っていて、その中で自分が聴き取ったこと、書いたことについては手応えを感じている点もあれば不満な点も多々あるのですが、そのプロセス自体には満足しています。


 と、少し抽象的な書き方になってしまいましたが、こういうわけでこのブログは僕にとって自分自身の実験の場でもあったので、そんな身勝手なブログに毎日訪問して下さる方々がいて、貴重なコメントまで頂いたというのは本当に申し訳なくもありがたいことだと心より皆様に感謝しています。
 来年は、4月以降は仕事の都合で今のような頻度で演奏会に通うことはできなくなると思うのですが、それまではまた限界を攻めるつもりです。特に2月は今から恐ろしくなるような予定を組んでいます。どうなることやら・・・


〜 〜 〜


 次に僕自身について少しだけ書きます。(あくまでも自己申告なので、信憑性は保証しません。)


 僕はロンドン在住です。
 音楽は昔から好きで、ピアノを習っていたこともあって自然にクラシック音楽の世界に入りました。高校時代からは吹奏楽部でチューバを吹き始め、大学でオーケストラ部に入ったことで本格的に音楽に打ち込みました(もちろんアマチュアとしてです)。
 社会人になってからもオーケストラ活動をやめられない不良サラリーマンで、大好きだったマーラーの9番が演奏したくてたまらず、一発企画でオーケストラを組織して、演奏会を開いたこともあります。
 日本で働いていた会社を辞めた後、1年ちょっとの間、アジア各国をバックパックを担いで放浪し、その後ロンドンで働き始めました。



 好きな作曲家は、と聞かれるといつも困るのですが、ブラームス、マーラー、後期のドビュッシー、ラヴェル、シベリウスあたりは特に好きな作曲家に属します。特に最近は現代音楽にも興味を持つようになっていて、どんな音楽でも心を開いて聴くことを心がけています。ただし、なぜかショスタコーヴィチだけは苦手意識が消えません。

 僕は、「どの作曲家が一番」とか「この演奏家が最高」という考え方とは対極的な立場を取っていて、芸術とは常に進化するものと思っています。ベートーヴェンが最高と言ってしまうとブラームスやワーグナーやマーラーは無かったことになりますし、ドイツ音楽が唯一絶対と言っていればドビュッシーやラヴェルの音楽は生まれませんでした。ロマン派までが音楽と決めつけるとストラヴィンスキーやメシアン、武満徹は出てきません。

 もちろんこれは、昔の人が劣っていて新しくなるほど良いという意味ではなくて、その時代その時代に現れた天才たちが、その当時の状況の中で、常に新たな地平を切り拓いてきたという意味です。その開拓と挑戦の歴史が、すなわち芸術の歴史であり、厚みだということです。



 演奏についても、誰が一番とは考えません。むしろ、演奏家によって同じ曲でも驚くほど多彩に変化することの方に、僕は魅了されます。人の数だけ芸術がある、というのが僕の芸術観で、これについてはかつて、別の場所でこういうことを書いたことがあります。

 それにしても、と思う。僕の好きなピアニストを挙げてみる。アルゲリッチ、ポリーニ、ホロヴィッツ、グールド、グルダ、ベネデッティ=ミケランジェリ、リヒテル、バックハウス、ケンプ。みんなそれぞれに素晴らしい。そしてもう一つ素晴らしいと思うのは、みんな違うということだ。そう、同じではないからいいのだ。彼らの演奏が違うのは、彼らがみな自分自身の音楽を演奏しているからだ
  本当に素晴らしいものが幾通りにもあって、それが人間の数だけあり得るということは、芸術にとって本当に幸運なことだ。全ての人の心が互いに影響し合い、 絡み合い、ときに励まし合い、ときにいがみ合いながら、心の世界が広がって行く。その総体が芸術という文化を構成する。


 もちろんこれは僕の芸術観なので、皆さんに同意を求めている訳ではありません。芸術観だって一人ひとり違って当然なので、これはあくまでも僕がこう思っているというだけです。

〜 〜 〜

 年が明けたらまた演奏会通いとレビューを再開しますが、とりあえずしばらくはアジアの旅でリフレッシュして、1月からの第2ラウンドに備えようと思います。旅先で面白いものをみつけたらご紹介するかもしれません。
 それでは皆様、良いお年をお迎えください。
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by voyager2art | 2010-12-18 07:33 |


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